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【税金対策】暴落時の含み損で節税!賢い投資家はやっている「損出し」を解説【FIRE・セミリタイア】

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ぱすたお
ぱすたお
こんにちは!ぱすたおです。

今回は「【税金対策】暴落時の含み損で節税!賢い投資家はやっている「損出し」を解説」というテーマでお届けします。

動画で見たい方はこちらからどうぞ。

Contents

はじめに

早いもので今年も11月ですね。あと2ヶ月で2021年が終わってしまうと思うとあっという間だったなぁと思っています。

振り返ってみると、今年は正にFIRE元年という感じで、FIREやセミリタイアの様な言葉を多く耳にする年になりました。

活動が制限されておうち時間が増えた事で、お金との付き合い方を見直した人が多い一年だったんじゃないかと思いました。

昨年のコロナショック以降、株式投資を始めたという方も多いみたいですね。

そんな中で、人によってはこんな悩みを持っている人もいらっしゃると思います。

  • 利益は出たけど、税金が取られるのがもったいない
  • 利益が出た銘柄もあったけど、含み損て塩漬けになってる銘柄があって証券口座を見るのが辛い
  • 特定口座で行った取引で発生した税金を安くする方法はないのかな?

今回は、こんな悩みを抱いている投資初心者の方向けの話になります。

今回ご紹介する方法は「損出し」と呼ばれている手法なのですが、ある程度投資をやっている人なら当然の様にやっている事かもしれないんですが、投資初心者の方は知らずに損をしている人も多いです。

知らないと余計な税金を払う事になってしまいますが、逆に知ってさえいればそれだけでお得になります。

決して難しい手法ではないので、投資で無駄なコストを払いたくないと思っている人は、ぜひ最後までお付き合い頂けたら嬉しいです。

損出しを行った方がいい人

まず最初に、今回ご紹介する「損出し」を行うメリットがある人はどういう人かについてお話しします。

条件は至ってシンプルで、次の2点に当てはまる人ならやるメリットはあると思います。

  1. 特定口座で行った株取引で配当金受取、譲渡益が確定している人
  2. 含み損(評価額がマイナス)の株を持っている人

もしこちらの2点を聞いて「あ!自分だ!」と思った方は、ぜひこの後のお話も聞いて頂けたらと思います。

損出しとは

まず最初に、損出しについて簡単にご説明します。

損出しがどういうものかというと、年内に株式の売買や配当金で利益が発生している場合に、含み損が発生している株式を売却して、損失を確定させてすぐに買い戻す事で、保有銘柄自体は変わらないにも関わらず、その年に確定した利益や配当にかかる税金を相殺できるという手法です。

これをする事によって、源泉徴収で払い過ぎた税金が戻ってきます。

イメージ湧きますでしょうか?
丁寧に解説しますので、お付き合い下さい。

そもそもの株式投資にかかる税金からおさらいしてみます。

ご存知の通り、株式投資の譲渡益や配当金に対しては次の様な税金がかかります。

最近、この税率を変えるみたいな話が話題ですけど、今のところは20.315%、約20%ですね。

譲渡益については原則として確定申告が必要なんですが、証券口座を開設する時に特定口座(源泉徴収あり)を選択する事で、税金の処理を金融機関がやってくれるので確定申告は不要になります。

これは本当に便利ですよね。なので多くの方は特定口座(源泉徴収あり)で取引をしているのではないでしょうか。

税金の計算は1年間トータルの損益に対して行われるので、利益が出た取引があったとしても、年内に損失を出した取引があると、利益と損失が相殺して税金が掛からなくて済むんですね。

これが、今回ご紹介している「損出し」と呼ばれるものになります。

仮に損失が上回った場合は税金を納める必要はないですし、確定申告をすれば損失は3年間繰越しができます。

今回は「確定申告とか面倒くさそうだからしたくない!」という人向けという事で、確定申告をしない前提でお話ししますので、そちらだけご了承頂ければと思います。

以上が損出しについてです。

損出しの節税効果

次に損出しの節税効果について具体的に説明します。

何となく仕組みのイメージはついたけど、実際どれくらいのメリットがあるのかが分からないとやる気が出ないと思うので、具体例を上げて説明します。

例えば、大谷選手の株があったとして、今年の3月に今シーズンの大谷はヤバイぞと思って100万円分の株を買ったとします。

その後、大谷選手が大活躍して株が爆上がりして見事テンバガーになって、今年の9月に1,000万円で売れたとします。

そうしたらかかる税金は、売却額1,000万円で取得価格100万円で売却益900万円なので、900万円*20%で180万円になります。
(計算を簡単にするために手数料は無しで、税金は20%にさせて頂いています。)

一方で、同じく今年3月に今シーズンこそ優勝だと信じてベイスターズの株を1,000万円分買ったとします。

これは例え熱狂的なファンだとしてもとんでもない大博打ですね。

ただ、案の定ベイスターズは全然勝てなくて最下位に沈んでしまって、株価も半分になって500万円の含み損を抱えてしまいました。

もしかしたらここから奇跡が起こってCSに進出して、CSも突破して日本シリーズに進出する可能性もあるかもしれないんですが、ちょっともうメンタルが保たないという事で株をどうしようか迷っています。

それでこうなった場合ですね、もしベイスターズの株を売却せずに年を越した場合、利益確定した大谷選手の株の売却益900万円が今年の利益という事になって、支払う税金は180万円になります。

ただ、もしここで500万円の含み損が発生しているベイスターズの株を年内に売却した場合、大谷選手株の売却益900万円とベイスターズ株の損失500万円を相殺して、年内の株取引の利益は400万円になります。

そうすると、400万円に20%の税金がかかるので、掛かる税金は400*20%=80万円になります。

何もしなかった時は180万円かかっていたので、100万円も安くなった事になります。

これが損出しの効果ですね。

しかも、売却したベイスターズ株はすぐに買い戻しているので、その場合はポートフォリオの変更もありません。

良かったですね。来シーズンもベイスターズを応援できますよ。

一緒にベイスターズの優勝を見届けましょう!(いつになるか分からないですが)

以上が損だしの節税効果についてです。

損出しと損切りの違い

次に、よく似た言葉で比較される「損出し」と「損切り」の違いについて説明します。

損出しについて聞いた事がある人で、この疑問を抱かれている人はいるんじゃないかと思います。

端的にいうと、違いは次の通りですね。

  • 損出し:買い直す
  • 損切り:買い直さない

損出しの場合、含み損になっている銘柄を売却して損失を確定させたら、同じ銘柄をまたすぐに買い直します。

そうする事で、年内の株取引の利益を少なくして節税した上で、また同じポートフォリオを組めるという事ですね。

それに対して損切りの場合は、含み損になっている銘柄を売却して損失を確定させるところまでは一緒なんですが、その後に買い直しをしないパターンになります。

状況が代わってその銘柄がもう今後上がる見込みが少ないと思ったら、処分だけして他の銘柄を購入するための資金として残しておくというパターンですね。

売却後に買い直すか買い直さないかは、それぞれの人の投資プランによると思うので状況に合わせてという感じですね。

個人的にはあまり買い直す事はなくて、損切りして他の銘柄に乗り換える事の方が多い気がします。

大体含み損になってるのって自分の予想と違う動きをしたのに、売るタイミングを逃して塩漬け状態になっちゃってる銘柄が多いので、また買おうっていう気持ちにならないんですよね。

なんかその銘柄の名前を見るだけで悪い気持ちがフラッシュバックしてトラウマみたいになっちゃうんですよね。

自分への戒めも込めて残している銘柄もあるんですけど、多くの銘柄は処分した後は名前も見ない様にしてるかもしれないです笑。

皆さんはこの辺りどういう風にされていますでしょうか。
よかったら教えて頂けたら嬉しいです。

以上が損出しと損切りの違いについてです。

損出しのやり方

次に損出しのやり方についてです。

損出しのやり方は2パターンあって、1つ目が現物取引のケース、2つ目が信用取引を使うケース、この2パターンがあります。

それぞれの違いをご説明すると、こんな感じです。

まず現物取引のみのケースの場合ですが、こちらの場合はまず「含み損を抱えた銘柄を売却」します。

その後、翌営業日以降に同じ銘柄を買い戻します。

買い戻すタイミングは翌営業日以降であればいつでもいいので、もっと下がったところで買うという人もいれば、売却後に値上がりしてしまうともったいないので、なるべくすぐに買うという人もいます。

何で翌営業日以降じゃないとダメかというのは、後ほど注意点のところでお話しします。
続いて信用取引を活用するケースの場合ですが、こちらの場合はまず「含み損を抱えた銘柄を取引が始まる前に成行で売却」します。

それで、それと同時に同じ銘柄を成行で信用買いします。

そうしたら、翌営業日に信用買いした銘柄を現引きします。

現引きっていうのは、信用買いで証券会社から借りていた株式を自分の現金で引き取る事です。

これをする事で、翌日の株価に左右されずに売却価格と同じ価格で株を買う事ができます。

現引きをせずに持ち続けていると、信用買いで発生した金利がどんどん増えていってしまうので、翌営業日の15時までに現引きするようにした方がいいです。

同じ価格で買い戻したくて信用取引に抵抗が無いという人は信用取引を使ってもいいと思いますが、投資初心者で信用取引の口座を持っていない方は、現物取引でも問題ないと思います。

そこまで神経質にならなくても良いのかなと個人的には思っていますね。

損出しでやることはシンプルに売って買い戻すだけなので、めっちゃ簡単です。

これをするだけで節税になるので、もし利益確定したものがあって含み損の銘柄も抱えている場合は、チャレンジしてみる事をオススメします。

以上が損出しのやり方についてです。

損出しの注意点

次に損出しの注意点についてです。

ただ売って買い戻すだけなのになんか注意点あるの?と思われた方もいらっしゃると思うんですが、いくつか注意点があるのでご紹介します。

そりゃそうだろっていう当たり前のものもあるんですけど、優しく聞き流してもらえたら嬉しいです。

売却と買い戻しを同日に行わない

注意点の1つ目が、売却と買い戻しを同日に行わない事です。

これは何故かというと、売却と買い戻しを同じ日に行うと、買いが先にあったものと見做されて取得単価が平均化されてしまうからですね。

よく分からないと思うので、具体例を使ってご説明します。

例えば、1,000円で買った株が100株あったとします。

これを500円で売って、同じ日に500円で買い戻した場合、取得単価は750円になってしまうというイメージです。

何でこうなるかというと、同じ日に同じ銘柄を複数回売買した場合は、「買い」が先にあったものと見做して、取得単価が平均化されてしまうからです。

つまり、取得単価は、(1,000円+500円)÷2=750円となります。「平均750円で取得した200株のうち、100株を500円で売却した」という意味になるという事ですね。

自分としては、1,000円-500円=500円なので、50,000円の損失と思っていたのに、実際は750円-500円=250円という事で、25,000円しか損が出せないという事になります。

そして手元には取得単価750円の株が100株残ります。
なんか思ってたのと違っちゃいますよね。

これは特定口座の仕組み上の問題らしいんですが、こういう理由で同じ日に売却と買い戻しをすることはできないんですね。

それもあって買い戻しは翌営業日以降という事になるんですが、この取得単価の平均化を避けるために翌日に買い戻そうとしても、同じ価格で買い戻せる保証はないんですよね。

もし高騰した場合は、安く売って高く買うことになっちゃうので、損出しをする以上に損をしてしまいます。

ただし、この取得単価の平均化は、現物のみで売買をした時に起きる話なんですね。

ですので、先ほどご紹介した信用取引を利用した損出しのクロス取引を使うと、取得単価は平均化されずに現物売りと信用買いを同じ価格で取引することができるので、メリットがあるという事になります。

以上が注意点の1つ目、売却と買い戻しを同日に行わない事についてです。

仮装売買リスク

次に注意点の2つ目、仮装売買リスクについてです。

これは何かというと、株価を人為的に歪めてしまういわゆる株価操縦的行為という禁止行為に見做されてしまう恐れがあるというものです。

この損出しの場合、大量の売り注文や買い注文を同時に入れると、取引量が少ない小型銘柄の場合だと相場が活況になっているように見えてしまって、株価操縦に見做される恐れがあるとの事でした。

私自身こういった経験は無いですし、身近にもこういう行為で警告された人はいないので分からないんですが、一応クロス取引の一般的な注意事項としてこの仮装売買があるそうです。

どう注意しろとって感じなんですが、取引量が少ない小型銘柄でやろうとしている人は、注意が必要かもしれないですね。

以上が注意点の2つ目、仮装売買リスクについてです。

株主優待の長期保有権利喪失

次に注意点の3つ目、株主優待の長期保有権利喪失についてです。

これは非常にシンプルな話なんですが、一度売却をしてしまうので、長期保有で株主優待のランクが上がるような銘柄だと、長期保有でもらえる権利を失ってしまうという事です。

例えば、1年以上でカタログギフトのランクアップとかそういうものですね。

最近、株主優待を行っている企業で長期保有している人を優遇する企業って増えてきていると思うので、株主優待も目的で持っている銘柄があったら、間違って売却しないように注意が必要です。

以上が注意点の3つ目、株主優待の長期保有権利喪失についてです。

NISA口座は損益通算できない

次に注意点の4つ目、NISA口座は損益通算できないについてです。

これも当たり前の話になるんですが、NISA口座は損益通算ができないので、NISA口座で保有している商品でマイナスが出ていても、それを損失として他の口座の利益と損益通算することはできません。

この損益通算ができないというのがNISAの最大のデメリットなんですよね…。

NISAは非課税期間終了後に利益が出ていないと仕方ない仕組みなので、やっぱりつみたてNISAで投資信託を長期積立しておくのが無難ていう感じですよね。

以上が注意点の4つ目、NISA口座は損益通算できないについてです。

年内に取引を完了する必要がある

次に注意点の5つ目、年内に取引を完了する必要があるについてです。

これは損出しを行う時期の話なんですが、損益の計算は1月〜12月で行われるのでその期間内で利益と損失の確定をする必要があります。

なので、12月末までに行っていれば大丈夫です。

ちなみにですが、損出しの最終日は権利付き最終日までとなっているので、2021年で言うと12月28日までですね。
ご検討中の方は忘れないようにご注意ください!

一応まだまだ期限はあるんですが、調べたところ9月末頃からタイミングを見てやった方がいいとの事でした。

理由としては、米国株の場合はファンドの区切りが10月に設定されている事が多いので、8月〜9月は損益通算の売りが出やすくて市場が弱くなるというアノマリーがあるからだそうです。

正に最近の下げとか、色んな問題に加えてそういうのも影響しているんですかね。

なので、相場の状況を見て含み損が増えてきたら今から少しずつ整理を始めてもいいと思います。

以上が注意点の5つ目、年内に取引を完了する必要があるについてです。

実は大して節税にならない事もある

次に注意点の6つ目、実は大して節税にならない事もあるについてです。

最後の最後にちゃぶ台ひっくり返すような事言って申し訳なさが半端ないんですが、損出し意味ない説は結構言われています。

これはどういう事かというと、買い戻した銘柄が翌年以降に値上がりしたら、結局値上がりした分の税金を支払う必要があるからですね。

つまり、課税の繰越しをしているだけという事です。

例えば、先ほどお話しした大谷株とベイスターズ株の事例では、ベイスターズ株の損出しで100万円を節税しました。

ただ、そのアフターストーリーでベイスターズがめっちゃ成績が良くて株が500万円から元の値段の1,000万円まで戻してそこで売却した場合は、その売却益500万円に対して税金が発生するので500万円*20%=100万円の税金が発生します。

当然といえば当然の話なんですが、こんな感じで損出しして買い戻した銘柄が値上がりしたら、結局そこで税金が発生しちゃうんですよね。

なので、結局課税の繰越しでしかなくて、むしろ売買手数料を取られているだけであまり意味はないと言われています。

個人的には同じ銘柄を買い戻して持ち続ける事よりも、心機一転で他の銘柄に乗り換えとかをする事の方が多いですね。

証券口座からマイナス表示が消えるのは精神衛生上のメリットがあると思っているので、利益が出ている時は損出しや損切りはしてもいいのかなと思っています。

この辺をどう考えるかは、個々人の考えと投資方針次第ですね。

以上が注意点の6つ目、実は大して節税にならない事もあるについてです。

まとめ

まとめです!

今回は「【税金対策】暴落時の含み損で節税!賢い投資家はやっている「損出し」を解説」というテーマでお届けしました。

今年もあと少しになってきて、且つ株式相場も荒れ気味なので、そろそろポートフォリオの整理など考えている人も多いと思います。

もし今年すでに利益が確定しているものがあって、且つ含み損で見たくない銘柄を持っている人がいらっしゃいましたら、ぜひ損出しや損切りを検討してみてください。

ちなみにですが、今回は「利益の方が多い」且つ「確定申告はしない」という前提でお話ししたんですが、損失の方が多い場合は確定申告をした方がいいです。

確定申告をすると損失は3年間繰り越しできるので、翌年以降の利益と損益通算ができるようになります。

ですので、もし「今年は上手くトレードできなくてマイナスだった…」という方は確定申告にもチャレンジしてみてください。

今回は以上になります。
この記事が、何か少しでも皆さんのFIRE計画のお役に立ったら嬉しいです。
今回もありがとうございました!