今回は、トマス・J・スタンリーさんとウィリアム・D・ダンコさんの著書「となりの億万長者」を紹介します。
はじめに
お金持ちにどんなイメージを抱いていますか?
いきなりですが、皆さんは1億円以上の資産を持つ億万長者と聞いたらどんな人を思い浮かべますでしょうか。
一般的には、事業に成功した起業家、株で大勝ちした投資家、医者や高年収のサラリーマンなどそういう派手なお金持ちのイメージがあると思います。
「自分は普通の人間だし、お金持ちになるのは無理…」
そうした背景もあり、お金持ちは遥か遠い存在で「自分は普通の人間だしお金持ちになるのなんて無理」と諦めている人も多いです。
ただ、これはすごく勿体無くて、実は普通の人こそお金持ちになるチャンスがあります!
1億円以上の資産を持つ富裕層のほとんどは、普通の人々だった
私もそう思ったんですが、本書によると、実は1億円以上の資産を持つ富裕層はのほとんどは、ありふれた職業と家庭をもつ「普通の人々」だったそうです。
本書では、アメリカの富裕層研究の第一人者であるスタンリー博士とダンコ博士が、1万人以上の億万長者にインタビューとアンケートをして、資産や年収、職業、消費行動のタイプを徹底的に調査した結果が載っています。
今回の内容
そこで今回は、本書に書かれていた「億万長者の7つの法則」をご紹介します。
この動画を見れば、普通の人で億万長者になった人の特徴が理解できます。
①収入より遥かに低い支出で生活する
まず1つ目の法則は、「収入より遥かに低い支出で生活している事」です。
本書によると、億万長者は、車、時計、スーツ、靴、食べ物や飲み物の趣向など、高価なものへのこだわりがない人が多いと書かれています。
反対に、高収入だけど資産の少ないサラリーマンほど、高価な車、時計、スーツを購入し、グルメという特徴があるそうです。
これを聞いて、ドキッとした人もいるんじゃないでしょうか?
ちなみに私はというと、働き始めたばかりの頃の自分がこういう感じだったのでブッ刺さりました。
もし何か心当たりがある方がいれば、コメントで教えてもらえると嬉しいです!
億万長者のライフスタイル
ちなみにこちらが本書で紹介されていた億万長者のライフスタイルです。
- 見た目からは、資産家に見えない
- 家族と中流階級の住宅街に住んでいる
- 妻が倹約家(夫が攻め、妻が守り)
- 人生で購入した1番高いスーツ:40,000円
- 人生で購入した1番高い靴:14,000円
- 人生で購入した1番高い時計:24,000円
- 好きな飲み物はビール(ワインに興味がない)
ここから分かるのは、世の中の多くのお金持ちは、一般人が想像するような派手な生活をしていない事ですね。
そういう人は、自分に必要なものと不要なものの線引きができているから、無駄な物にお金をかけないのかもしれないなと思いました!
②資産形成のために、時間・エネルギー・金を効率よく配分している
次に2つ目の法則は、資産形成のために「時間・エネルギー・金」などのリソースを効率よく配分している事です。
億万長者は家計管理が上手
本書によると、億万長者は家計管理が上手な人が多いそうです。
例えば、次の事をちゃんと行っているという事でした。
- 毎年予算を立て、予算の範囲で支出する
- 家計簿を作り、支出を把握している
- 毎日、毎週、毎月、毎年の目標を持っている
- 人生設計を立てている
- 資産運用に時間をかけている
蓄財優等生は蓄財劣等生の2倍の時間を資産運用にかける
また、資産形成が上手な蓄財優等生は、蓄財劣等生に比べて2倍の時間を掛け資産運用を行っているというデータもありました。
- 蓄財優等生:年間 100.8時間(月8.4時間)
- 蓄財劣等生:年間 55.2時間(月4.6時間)
いかがでしょうか?
これを見ると、億万長者は普通の人よりも家計管理への意識が高いだけでなく、
長期目線で計画を立てつつ、短期の目標も作って上手に自分を律している事が分かります。
FIREを目指す人は蓄財優等生が多い
SNSでFIREを目指して取り組んでいる方々を見ると、皆さん家計管理をしっかりしている人が多いですよね。
中には始めたばかりで「自分達なんてまだまだ全然…」と謙遜される方もいますが、あまり気にする事はないと思いました。
なぜかと言うと、仮に今はそこまでだったとしても、家計管理の意識があるだけで億万長者への第一歩は踏み出しているからですね。
③お金の心配をしないですむことの方が、世間体を取り繕うよりも大切と考える
次に3つ目の法則は、お金の心配をしないで済むことの方が、世間体を取り繕うよりもずっと大切と考えている事です。
富や名声よりも人生の自由度を重視
億万長者の多くは、世間に称賛され羨ましがられる人生よりも、自分らしく自由な人生を生きる事を望んでいます。
蓄財劣等生、蓄財優等生のお金を稼ぐ目的の違い
本書の中で、蓄財劣等生と蓄財優等生のお金を稼ぐ目的の違いが示されていました。
・蓄財劣等生:より良い暮らしをするために稼ぐ
・蓄財優等生:経済的な基盤を築くために稼ぐ
この様に、蓄財劣等生は高価な物やサービスを購入してより良い暮らしをするために稼ぐのに対して、蓄財優等生は自由に生きるための経済的な基盤を築くために稼ぎます。
蓄財優等生の方が仕事を楽しめている
そして不思議なんですが、本書によると蓄財優等生の方が仕事を楽しめている人も多いそうです。
なぜかというと、蓄財優等生は「稼いで資産が増えれば、それだけ自由に近付く」と喜びを感じるのに対して、蓄財劣等生の中には「お金の掛かる生活を維持するために働かざるを得ない状況」を苦しく感じている人もいるからだそうです。
労働環境はどうなるか分からない
ただ、先ほどの話を聞いてこう思われる方もいると思います。
もちろん会社での仕事が楽しくて、やり甲斐を感じている人ならそれでもいいかもしれません。
ただ、労働環境は日々変わっていくので、いつまでもその状態が続く保証はないと意識しておく必要はあるかなと思いました。
雇われていると労働環境は自分で選べない
例えば、今は良い上司や気の合う同僚と働けているから楽しいかもしれませんが、しばらくしたら人が入れ替わってブラック職場になるリスクもあります。
そういう時も、生活のために働き続けないといけない状況はかなり苦しいと思います。
「親と上司は選べない」という言葉もありますが、会社に雇われている以上は自分で労働環境はコントロールできないんですよね。
変に避けたり喧嘩腰になるよりも、こうした方が仕事も進みやすかったからですね。
皆さんが職場の人間関係を円滑に回すコツなど何か意識しているものがあれば、ぜひコメントで教えてください。
④社会人となった後、親からの経済的な援助を受けていない
次に4つ目の法則は、社会人となった後、親からの経済的な援助を受けていない事です。
経済的援助はしない方が良い
意外に思われるかもしれませんが、経済的援助を与えれば与えるほど子供は資産を蓄えず、援助が少なければ少ないほど資産を築くようになったそうです。
我が家は私も妻もあまり裕福な家庭ではなかったので、「お金持ちの家の子は欲しい物を何でも買ってもらえて羨ましい!」と思っていたんですが、これは意外でした。
本書では、その理由として経済的援助を行う事に対する弊害も書かれていました。
<経済的援助を行う弊害>
①与えられた金は、貯蓄ではなく浪費に使われるから
②自分の財産と親の財産を同一視する様になるから
③収支に対する意識が低く、借金に頼る様になるから
④投資に回すお金が少ないから
与えるべきは資産ではなく教育
じゃぁ親は子供に対してどうすればいいのかと言うと、与えるべきは「資産ではなく教育」だという事でした。
お腹が減っている人に対して魚をあげるか、魚の釣り方を教えるかという有名な例えがありますが、「お金自体を与えるのは、魚を与える事」と同じです。
そうではなく、親がすべきなのは「教育に時間とお金を掛けて、魚の釣り方を教える事」という事ですね
お金の教育というと、投資や税金といった難しい話のイメージがあると思いますが、そこまで難しい話ではなく、もっと身近なものでもいいと思います。
例えば、普段の買い物で店によって価格が違う事を教えて、「ここで買うと1個だけど我慢すれば2個買えるよ。どうする?」という問い掛けをして考えさせるだけでも十分だと思いました。
⑤子供たちも、経済的に自立している
次に5つ目の法則は、子供たちも、経済的に自立している事です。
お金持ちは子供への金融教育がしっかりしている
先ほど言った様に、お金持ちの多くは経済的援助を受けずに育っています。
そして、本人達もそうした方が自立した子供が育つ事を理解しているので、自分の子供に対しても経済的援助は行いません。
となりの億万長者の様なお金持ちの家庭が増えれば、日本の金融リテラシーも爆上がりだなと思いました。
お金持ちの教育方針
ちなみに、お金持ちの家庭はどんな教育をしているか気になる親御さんもいらっしゃると思います。
そんな「お金持ちがしている金融教育」も本書で紹介されていました!
- 親が金持ちだと教えない
- 子供には倹約とけじめを教える
- 成人し経済的に独立するまで、資産を隠す
- 現金や高額品を子供との駆け引きに使わない
- 独立した子供の家庭には立ち入らない
- 兄弟でも各々は別人格であることを忘れない
- 成功はモノではなく、何を達成したかで図ることを教える
- お金よりも大切なものがあることを教える
いかがでしょうか。
かなり本質的な内容が多いですよね。
「現金や高額品を子供との駆け引きに使わない」については、「大学受験で合格したら100万円あげる」といって子供に勉強を頑張らせてトラブっていた親の話があったなぁと思い出しちゃいました。
⑥ビジネス・チャンスをつかむのが上手・⑦自分にぴったりの職業を選んでいる
続いて6つ目の法則は、ビジネス・チャンスを掴むのが上手な事、
7つ目の法則は自分にぴったりの職業を選んでいる事です。
自営業と会社員の違い
本書では会社員や公務員など普通の職業で億万長者になった人も紹介されていましたが、お金持ちには自営業者も多いそうです。
自営業の特徴
自営業の特徴としては、良い意味でも悪い意味でも収入が不安定なイメージがありますよね。
つまり、上にも下にも不安定という事ですね!
会社員の特徴
それに対して会社員の特徴は、調子が良い時も悪い時もある程度の収入が貰えるけど、爆発力は無いことです。
「自営業は収入が不安定だから、安定している会社員の方が良い」という意見もありますが、それは働き方の特徴の違いであって、どっちが良い悪いという話ではないです!
起業の理由は「変化への対応」
それでも起業する人の背景には、時代の変化に合わせて動きたいという狙いがあったそうです。
いま行っている仕事が安定してずっと稼ぎ続けれらる仕事なら良いですが、世の中は常に変化しています。
そうすると、昔の稼ぎ方が通用しなくなる一方で、新たなビジネスチャンスも生まれます。
億万長者になった人は、そうした時代の変化を捉えてビジネスを行い大きな資産を築いたという事でした。
会社だけに依存する生き方へのリスク
また、彼らは会社だけに依存する生き方へのリスクも感じていたそうです。
本書の中で、分かりやすい例があったので紹介します。
会社員が集まるMBAのビジネススクールの授業で、教授が生徒に対して「どんな事がリスクだと思う?」と質問すると、「会社員を辞めて独立すること」という答えが返ってきたそうです。
それに対して、教授はある起業家の言葉を引用してこう回答しました。
「どんな事がリスクかと言うと、収入源が一つしかない事だと私は思う。1社からしか給料を貰っていないサラリーマンはそのリスクを背負っている。」
「それに対してビル清掃会社はどうか。客が100社あれば、収入は100ヶ所から生じる事になる。」
つまり、安定していると思っている会社員でも、収入を会社だけに依存している時点で、それは非常にリスクを取っているという事です。
いきなり自営業は高リスク!
これを聞いて、「確かにそうだな」と思う一方で、「それでも自営業になるのは怖いな」と感じる人もいると思います。
何も準備せずに会社を辞めて無収入になった時の恐怖は半端ないので、いきなり会社を辞めて自営業一本にするのはオススメはしません!
特に、会社を辞めてすぐに自営業でお金を稼がないと生活が立ち行かなくなる人には全くオススメできないですね。
辞める前から副収入の種まきを!
ですので、もし将来的に自営業になりたいという思いがあるなら、辞める前から種を蒔いておくと、スムーズに自営業に移れるのでオススメです!
- 会社員のうちから貯蓄を頑張って数年は生活できるお金を作る
- 投資を通じて資産収入が得られる仕組みを作る
- 副業でスモールスタートする
それに、会社員の給料、資産収入、副業収入などの収入源が増えると、単純に収入が増えるだけではなく、どれかの調子が悪くても他でカバーする事ができます。
まとめ
まとめです!
今回は、億万長者の「7つの法則」をお話ししました。
おさらいすると、今回紹介した7つの法則はこちらです。
- 収入より遥かに低い支出で生活する
- 資産形成のために、時間・エネルギー・金を効率よく配分している
- お金の心配をしないですむことの方が、世間体を取り繕うよりも大切と考える
- 社会人となった後、親からの経済的な援助を受けていない
- 子供たちも、経済的に自立している
- ビジネス・チャンスをつかむのが上手
- 自分にぴったりの職業を選んでいる
今回の話は以前にも紹介した事があるんですが、お金持ちの人と会う機会が増えて改めて実感する事が増えたので、改めてご紹介しました!
今回は以上になります。
最後までお読み頂きありがとうございました!